世相を読むために各新聞の社説に目を通す事は不可欠です。左も右も,時には読み比べる事でブレない人生観と座標軸を築きあげていきます。
社説から世相を読む
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久々の更新
2007年 04月 06日 (金) 09:18 | 編集
 えらい長いこと更新が滞ってしまいました。
 彼岸参りの前後で超忙しかったこと、鹿児島旅行でハメはずしすぎたこと、FPの勉強がいよいよ佳境に入ってきたこと、その後の惰性(^^;)などで気がつけば1ヶ月ほどが経ってしまっています。
 
 実を言うと、上に上げたような理由はいわば表向きでありまして、本当はある報道がきっかけで社会への関わり自体が本当に馬鹿馬鹿しくなったので、しばらく発信活動を控えていました。気分が全く乗らなかったんです。
 
 その報道とは、日興コーディアルの上場維持決定についてです(今更ながら)。東証の決定には我が目を疑いましたし、その直後にあったホリエモンの実刑判決にも違和感があり、とうとう自分の頭の処理能力を超えてしまって、急に馬鹿馬鹿しくなったというわけです。その後もテレビ、新聞、雑誌、ブログなどのいろんな媒体で日興とホリエモンの評論を目にするのですが、本質論に迫る物は数少なく、ずうっと消化不良の状態が続いていました。ま、個人的には全く被害を受けていないので気にする必要はないのかもしれませんが、これら一連の経済事件を通して、日本株投資には人生を豊かにするための学びという要素が全くないという悲劇に気付いたとき、僕は日本の株式市場に関わることは極力避けていこうと、これまで以上に思い到りました(これまでも株式投資は一度もしたことがありませんが・・・)。

 ホリエモンに天罰が下ったことは教育上歓迎すべきことですが、その一方で巨悪は逃げおおせたわけで、庶民や教育者の健全な思いとは裏腹にますますマネーゲームへの思想偏重が深化していきそうな世相を感じ取るのは非常に複雑な気分です。ホリエモン憎しで天罰を歓迎したところで、しょせんはチンピラの逮捕にすぎず、日本の国富を私物化したり合法的に海外移転させたりしている人々には痛くも痒くもありませんし(痒いぐらいはあるか)、400億円程度の組織的な粉飾でなければ上場も維持できることが前例として残った以上、上場企業の経営者は安心して少額の粉飾に手を染めれることにお墨付きを得ることができました。この国はどんどん「美しい国」になっていきますね。
 
 1ヶ月間ブログ更新をサボっていたのですが、ぼちぼち発信活動を再開します。ただ、これまでのようにほぼ毎日更新というわけにはまだ気分が乗ってきません。1週間で1つの社説を採り上げてコメントしていく形で徐々に進めていこうと思います。ブログ活動も3年目に入ってきて、自分なりに情報発信力もそこそこついてきたなあと実感しているところなので、まったく止めてしまうことは考えていません。継続しないとこういう力はすぐに衰えてくるので、自分が一番やりやすい形を模索していきたいと思っています。
 
 とりあえず今日はここまで。
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LECでリーガルマインドが育つとは思えないお粗末な実状
2007年 03月 09日 (金) 21:38 | 編集
 北朝鮮問題は思ったとおり進展はありませんでした。小泉元首相が北朝鮮と交わした密約(拉致問題は解決済みで良いから国交正常化を進めるという内容)がある以上、進展するはずがないとも言えますが、かえってダラダラやることで安倍政権の寿命が伸びるというのは日本にとって良いことなのかどうかは問題です。個人的には国交正常化していない以上は件の密約も反故にして、拉致問題を一から取組み直した方が良いとは思いますが。また、拉致問題と経済支援の問題は別にして、北朝鮮に眠るレアメタル資源の国際的な分捕り合戦には是非とも参加しないといけないと思います。今のままでは日本だけがおいてけぼりを食らいますから。

 さて、進展するはずがないこの話題はこれ以上は深入りしないことにして、他の話題として、朝日新聞が採り上げた社説【LEC大学―学生がかわいそうだ】を見ていきます。この話題は数カ月前に新聞に載ったりして興味をもっていたのですが、続報がなく、すっかり忘れていました。このたびようやく文部科学省が是正措置を発動するらしい。

***********(引用開始)***********
文科省が指摘した問題点は、これが大学なのか、と耳を疑うような内容だ。
 専任教員の6割は勤務の実態がない。ビデオを流すだけの授業が多く、学生は授業中に質問もできない。大学の専門科目を予備校と同じテキストで予備校生と一緒に教える授業が目立つ。
***********(引用終了)***********

 必修科目未履修問題で自殺した校長がいる高校教育界の反対側で、信じられないような偽装大学が存在していました。こんな学校でリーガルマインドを学ぶってのは冗談にしか聞こえません。堂々と違法行為をして、当局から改善命令が出されるまで放ったらかしだったというのは、朝日だけでなくもっともっと大きく問題視しなきゃいけないと思うのですが、この国のマスコミは何やってるんですかね?いっぱい広告料もらってるから書けないんでしょうか?

***********(引用開始)***********
大学の改善策は次のようなものだ。
 専任教員に数えるのは、大学で教える教員だけとする。学部長を任命し、教授会を毎月開く。ビデオ授業は大幅に減らし、補助教員を置いて質問に応じる。予備校とは違うカリキュラムにする。
 いずれも、大学を名乗るなら当然のことばかりだ。
***********(引用終了)***********

 コーヒー吹いちゃったじゃないか。

***********(引用開始)***********
学校の設置者は国や自治体、学校法人に限られるが、構造改革特区では株式会社も認められている。LEC大はその第1号だ。特区を申請した自治体も、大学の運営が計画通りかどうかを見届ける責任がある。
***********(引用終了)***********

 特区や株式会社経営そのものを否定するわけではありませんが、第1号がこんなずぼらというかコンプライアンスのかけらもない経営をしていたのなら、先が知れてます。しょせんは教育の看板を使った金儲けなんだから、予備校ほど実入りがない大学部門なんてコストカットしまくってれば良いという発想。こんな発想が出てくるのは当然誰もが予想できたから、これまで教育界は株式会社経営には反対していたわけでしょう?反対論者の危惧どおりじゃないの。アホらし。

***********(引用開始)***********
今後は改められるにしても、在校生は救われない。この際、学生を守る仕組みを強める必要がある。
***********(引用終了)***********

***********(引用開始)***********
問題のある大学には、もっと目を光らせ、早めにふるいに掛けて退場させる。そんな工夫が求められている。
***********(引用終了)***********

 朝日も言うことがバラバラ。大学を退場させて学生をどうやって守るのよ?

 もう一度書きますが、この問題の本質というか核心部分は、法曹関係の諸資格取得を指南する予備校が経営する大学が堂々と法律違反をして自ら改めることをしなかった点にあります。ま、問題外というやつです。LECで弁護士になる試験対策は学べても、決してリーガルマインドは育たないということです。

 かといって他の予備校立大学が優秀かというとそんなこともありません。情けなさではどっこいどっこいだというのが実状です。例えばこれ。
【大原大学院大など34大学に改善要求…文科省】(Mar/01/07 読売新聞)

 僕が現在通っている大原簿記も同罪ってわけ。ま、僕の場合は予備校ですけど、リーガルマインドの欠如という意味では同じですね。くわばらくわばら・・・。
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日興買収についての感想(たいした話はありません)
2007年 03月 08日 (木) 22:01 | 編集
 シティグループによる日興コーディアル証券買収についてコメントを残しておきます。と言っても真新しい気の利いたコメントができるほどの専門知識も裏情報もないので、ちょこっとお茶を濁す程度です。題材には毎日新聞【日興証券 信用回復への道のりは長い】を選びました。

***********(引用開始)***********
利益操作で揺れている日興コーディアルグループは、米シティグループの子会社になることにより、上場廃止の危機を乗り切ることになった。
***********(引用終了)***********

 揚げ足とるわけじゃないけど、上場廃止は免れないでしょう。社説自身も中段あたりに書いていますし。わかりにくい表現ですね。
 ライブドアの時と比べれば上場廃止になるのは当然です。東証一部上場の金融のプロが粉飾決算して旧役員が不当な利益を得ていたわけでしょう?どこにも弁解の余地はありません。ホリエモンより悪質なんだし金額もデカイ。しかもホリエモンは会計処理の詳細は知らなかったのに対して、日興は証券のプロ。いくらシティグループが買収するからって言って上場廃止は免れません。

***********(引用開始)***********
シティは世界最大の金融グループだが、世界各地で不祥事が続いた。日本でも富裕層向けのサービスで法令違反を重ね、この分野の業務から撤退せざるを得なかった。
***********(引用終了)***********

 シティにとってみれば、こういう再上陸の手段もあったということです。退場させられても本国資金で現地証券会社を買収しちゃえば容易に復活できる、と。ま、顧客の信頼は得られないんでしょうけども。

***********(引用開始)***********
米国のエンロン事件の時もそうだったが、業績に連動して巨額に膨らむ役員報酬が、不正経理の温床となったという指摘がある。(略)しかし、この仕組みは、利益操作へ経営者を誘い込む要因ともなりかねない面も持っている。
***********(引用終了)***********

 逆に言うと、もし日興も年収3,000万円のサラリーマン社長だったならこんな不正は犯さなかっただろうということですね。僕もそう思います。こういう場合は日本的経営の方が被害は少なく済むわけですが、自分の欲を律することのできない小さな人間が大きな会社のトップにいて、形だけ外資を真似るのは本当に良くないことです。自分しか見えないぐらい小さな人間だから、悪いことだとはわかっていても自分では止められません。まったく、社員にとっては不幸な話です。

 日興の社員はどうなるんですかね?「オレこんど外資系に再就職決まったんだ」って言って銀座のおネエちゃんでもつっつきに行くんですかね?僕が日興の社員の立場だったらまずそうやって気分晴らしますけどね(笑)。
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悲劇として具現化した「神の見えざる手」こそがバス事故の本質です
2007年 03月 07日 (水) 18:29 | 編集
 今日は面白い社説がなかったので数日前の読売新聞[ツアーバス]「『安全』に影を落とす規制緩和」を見ていくことにします。ただ、この社説を読んでも何も得るものはありません。スキー客を運搬する格安深夜バスが事故ったあのニューズについて、小学生でも言えるような低レベルの結論しか導けず、まったく社説というクオリティにはほど遠い内容になっているからです。本質が全く見えていない、こういう文章を見ておくのも向学のためには有意義かな、と思い取り上げてみました。

***********(引用開始)***********
長距離や夜間運転で交代の運転手を置くよう定めた国土交通省令や、長時間や連続の勤務を禁じた厚生労働省告示などに違反していた疑いがある。
***********(引用終了)***********

 大企業の机で記事だけ書いてたらいい人間には分からないだろうけど、中小企業の経営ってのはバカ正直じゃ勤まりません。法律違反による罰則リスクは覚悟の上で、たいがいのことはやってきているのが現在の”残存”会社です(やったけどダメだった、あるいは正義感からやれなかった会社は既に潰れています)。まずは教科書通りの断罪よりも、「バレてしまって可哀想に」という一言を添えてやるのが社会の木鐸の役目です。安倍政権になってから”やったもん勝ち””バレなきゃええやん”体質がますます進んでいるわけであり、こういう認識でいることの方がメディアとしては望ましい感覚ではないかと思います。

***********(引用開始)***********
一昨年、全国の労働基準監督署が実施したバス事業者への立ち入り調査では、半数近くで、労働基準法違反の長時間運転などが見つかった。運転手らの労働組合が2年前、高速道路のサービスエリアでバス運転手に行ったアンケートでは、75%が居眠り運転を経験していた。
***********(引用終了)***********

 75%という数字は生々しいですね。4人に3人が居眠り運転になってしまうほど働かされても、彼らは今の所得層からは這い上がれないのが現実。這い上がれるほどの賃金を出したら会社が潰れるだろうから、経営者は違法行為だとわかっちゃいるけど止められません。厚生年金、政管保険、雇用保険など諸々のコストは今後もかさむ一方だし、原油市場は不安定だし、価格破壊も下げ止まらないし。会社が潰れたら再起はほぼ不可能な日本では、会社を潰すというのは最後の最後の手段ですから、従業員や日雇い労働者に泣いてもらうしかないのです。

 一方、年収1,000万円を超える市バス(大阪市)の運転手は勝ち組。こういう法律違反なんてあり得ないし、生活保障も万全。週刊誌とかにバレてしまわなければもっともっといい思いができたのに・・・という彼らは完全なる勝ち組です。同じバス運転手でもえらい違いですね。もっとも、同情はどっちに集まるかというのは別問題ですけども。

***********(引用開始)***********
事故多発の直接の責任は、無理な運行スケジュールを組んでいるバス会社にある。同時に、バスツアーを企画する旅行会社も、運行実態を確認すべきだ。
 悪質業者を淘汰(とうた)するには、行政の監督の強化と、厳格な処分が必要だ。
***********(引用終了)***********

 いやですねえ、キレイゴトしか言わないメディアって。悪いことした人を罰せよ、って小学生でも言えることです。まったく本質がわかっていません。

 この問題の本質は、行き過ぎた規制緩和の結果、市場原理主義者すなわち古典派・新古典派経済学者が言うところの「神の見えざる手」が作用して、かような悲劇が生まれたという点にあります。僕は特段、経済学説についてのイデオロギーには興味はありませんが、市場原理主義者がこの事件を眺めたとすれば、当然「神の見えざる手」の作用によって、行き過ぎた規制緩和が是正されるのだという結論を導くはずです。だって、「最適」な規制水準に落ち着くには起こって然るべきプロセスなんですから。

 市場原理主義者ならここで思考ストップです。然るべきことが起こったことについて他に何も言うことはありませんから。でも、人間としての最低限の愛情をもつ一般人にとっては、ここで終わっちゃいけないことは言うまでもありません。たとえ「神の見えざる手」による作用だとしても、悲劇が起こるのか、最小限の被害で済むのかは大きな違いですから、なんらかの安全網の設置を模索する方に知的リソースを振り向けないといけません。ま、エラそうに書く僕自身が何ら具体策を持ち合わせていないので、説得力はないんですけどね・・・。ちょっと考えさせてください。
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メディアは他人に説教垂れる前にやるべきことがあります
2007年 03月 05日 (月) 21:32 | 編集
 株がなかなか下げ止まりませんね。先物を売りまくって稼がせてもらった僕ですが、さすがにここまではと思い、今日全部利益確定しました。ロングの皆さんには申し訳ないけど、しっかり稼がせていただきました。ごちそうさま。それと、大暴落の確かな可能性を示してくださった原田武夫氏に感謝。

 さてそんな話は置いておきまして、今日は数日前の産経新聞【放送法改正 まずメディアが自浄力を】を見ていきます。とはいえ、僕は放送法については無知なのであまり効果的なコメントはできません。じゃあなぜ見ていこうかと思ったのかと言うと、タイトルからして、フジサンケイグループの他人事のような社説が鼻に付いたからです。NHKのことをグダグダ言う前に、グループ(関西テレビ)が起こした数々のやらせを反省しなさい。

***********(引用開始)***********
今回の改正案には、番組捏造(ねつぞう)など放送法にもとる行為に対し、総務相が再発防止計画の提出を義務づける新規定も盛り込まれる予定だ。この点についても「メディアへの公権力介入強化」と懸念する声が上がっている。
***********(引用終了)***********

 「メディアへの公権力介入強化」ってのがすごいね。「強化」という言葉を何の気なしに使っているようですが、手元にある辞書では「力や物を補って、さらに強くすること」が「強化」です。「さらに強く」するということは、すでに今が相当程度の公権力介入があるということ。本音が出ましたねえ。

 年次改革要望書の内容、タウンミーティングやらせ問題、高校必修科目未履修問題、耐震偽造マンションなどなど、続きが気になる事項についての放送や報道が出てこないのは、公権力の介入が原因じゃないの(もちろん根拠はないですけど)?確かにそれからさらに「強化」されるのは嫌なんだろうけど・・・

***********(引用開始)***********
民放番組のデータ捏造や「やらせ」が後を絶たない現状では、それもやむなしとする議論がある。だが、メディアのチェックは本来、メディア相互間や視聴者の厳しい目によって行われるべきものだ。
***********(引用終了)***********

 はいはい。まずは自己反省してください。

***********(引用開始)***********
法案が生煮えでは混乱をもたらすだけだが、NHKはじめ放送各局もまた、批判を真剣に受け止め、一層の内部改革に進む自浄努力が求められている。
***********(引用終了)***********

 NHKじゃなく、まずは自分からね。

 ここ数年、メディアが社会の木鐸たる役割を自ら放棄しているようにしか見えないわけですが、本気で視聴者からの信用を取り戻したいのなら、まず自ら厳しい規範をもって律してもらいたいものです。三回も再提出をくらってもなお辞任しないテレビ局のトップって何なんですかね?そこらあたりをよくよく考えてもらいたいものです。
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暴落もまた相場 これで大儲けした人もいる
2007年 03月 01日 (木) 23:23 | 編集
 久しぶりの暴落でした。世界同時株安のことです。今日はこのことに触れた社説ばかりでしたので、どれを引いても同じような結論になりそうですが、ちょこっと意見しておきたいと思います。産経新聞の社説【世界同時株安 潜在リスクに感度高めよ】を見ていきます。

***********(引用開始)***********
まず、強調したいのは、世界経済の基調に変化が起きたわけではないという点だ。特に日米欧は2月の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも確認された通り、それぞれ堅調だ。一時、景気減速が不安視された米国も、ここへ来て足取りはしっかりしているとの認識が広がっている。
***********(引用終了)***********

 一喜一憂する必要はないにしても、たった1日の相場動向で「世界経済の基調に変化が起きたわけではない」という結論を導くのは早計です。G7で確認されたからといって投機筋の動きが牽制できるわけでもないし、米国経済なんてそれこそ悲喜こもごもの強弱織りなす経済指標の発表ばかりで、足取りがしっかりしているとも言えないと僕は思います。

***********(引用開始)***********
上海株が世界同時株安の引き金になったように、中国経済に内在するリスクは、世界経済全体のリスクになりかねないのである。
***********(引用終了)***********

 今回の暴落で振り落とされた投資家はリスクの認識が甘かったのではないか、という意見には僕も賛成。中国市場が引きがねを引いて世界の株式相場に強烈なパンチを食らわしたことがたとえ過去にはなかったにしても、中国抜きでは世界経済が成り立たない現状がわかっていなかったとしたら、完全なる油断でしたね。

 逆に、僕は日経225先物を売りまくっていたので、思わぬ戦果にびっくりです(下落するとは思っていたけど、こういう形で落ちるとは思っていなかった)。暴落に感謝、って書くと怒られますかね。

***********(引用開始)***********
政府・与党も、経済界も、超低金利・円安の心地よさばかりに目が向き、そのリスクに鈍感になっていなかったか。
***********(引用終了)***********

 政府・与党の鈍感さは今に始まったことではないでしょう。鈍感でなかったとしても、中国の株式相場の動向を毎日チェックして日本への影響を事前に伝えることができるほど、日本の政治家で経済通の人はいないと思います。鈍感というよりも危機感がないといった感じです。

***********(引用開始)***********
見えない危機への感度を高めなければ、混乱は避けられない。今回の株価の動揺はその警鐘ととらえるべきであろう。
***********(引用終了)***********

 この経験を是非とも活かしてもらいたいものです。政府・与党だけでなく、我々一般人もね。

 個人的には原田武夫の情報に沿って先物を売りまくっていた僕は大儲けしたわけですが、中国発の暴落相場というのはシナリオにもなかったこと。日本のマーケットについてはまださらに下落する余地があります(一時的なものになる可能性は高いですが)。今日も落ちたみたいだし。僕はちなみに日経225miniをまだ4枚売り立てているのでさらなる下落に期待しています。そしてから、逆に買う側に回りたいなあと思っていますが、果たしてそんなにうまくいきますかどうか。

 そうそう。明日は原田武夫のセミナーに出席します。たぶんこの話も出てくることでしょう。楽しみです。
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公務員に特定イデオロギーを認めよという毎日新聞の無茶ぶり
2007年 02月 28日 (水) 23:08 | 編集
 今日ほど右と左が真っ二つに分かれた社説が載った日も珍しいかも。日本版NSCと君が代伴奏裁判の結果について、左側の朝日・毎日の2紙はどうも奥歯に物が挟まったような頼りない論理を展開していました。とくに君が代の方は完全にイデオロギー論争になっていて、報道機関としての姿勢すら疑われかねないんじゃないかなというレベル。なんとも情けないです。

 公務員が国の決定に従わないのなら罰せられても文句が言えないのは当然でしょう。全体の奉仕者なんだから特定のイデオロギーに左右されるような存在であってはいけないのは誰でもわかる理屈だと思います。僕はその点は産経・読売の右側と同じ意見です。

 ここではおかしな毎日新聞の社説【君が代判決 「お墨付き」にしてはいけない】を紹介しておきます。

***********(引用開始)***********
日の丸・君が代と内心の自由をめぐる一連の訴訟で最高裁が判断を示したのはこれが初めてで、判例として今後に影響を与えることになる。しかし、本来教育のありようや運営法は司法が決するものではない。
***********(引用終了)***********

 は?揉めているから司法に決してもらっているんでしょう?行政なり立法なりが決したことについて市民団体などが噛みついて揉めているんでしょうが。おかしな本来論を持ち出さないでもらいたいですね。

***********(引用開始)***********
学校教育現場の視点からいえば、この判断を絶対的な物差しにすることには無理がある。ケースによって状況はさまざまだ。
***********(引用終了)***********

 最高裁での判決だぞ。たとえ状況はさまざまであっても民主主義の世の中なんだから、今回の判断を基にして決められたことは守らないといけません。

***********(引用開始)***********
「正常化」を名目に一律に抑え込むような処分は、殺伐とした空気を生むだけになりかねない。その時、しわ寄せをこうむるのは敏感な子供たちである。
***********(引用終了)***********

 無茶苦茶な理屈丸出し。何度でも書きますが、全体の奉仕者たる公務員が決められたことを守れないのなら、市民サービスは不十分なものだと判断せざるをえません。不服があるなら退職してから言ってもらわないと。敏感な子供たちに悪影響を与えているのは実は自分だという自覚をもてないのなら、本気で辞職してもらわないと行政責任者が住民から訴えられますよ。

***********(引用開始)***********
戦後学校教育の原点は「自治」であり、特に学校現場の裁量に期待されるところが大きい。そのことを改めて確認しておきたい。
***********(引用終了)***********

 時代錯誤だなあ。たしかに自治が原則ですが、行き過ぎた自治で今の教育現場の混乱を招いているわけでしょう?そのあたりの反省・検証をせずして既得権にしがみついているから、国が上から決めていくという方針になってきたわけです。僕は普段は産経や読売らポチ保守の無反省を糾弾することが多いのですが、この問題については毎日やら朝日の無反省ぶりを糾弾します。自己反省できずに他人を責める姿の醜さは自分たちがよく分かっているはずなのにね。

 蛇足だとは思いますが一応書いておきます。僕はこのエントリで君が代強制問題について賛成・反対を述べているわけではありません。「公務員の自覚」を切り口にして、左側の論理破綻を指摘しただけですからくれぐれもお間違いのないように。
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ネットポルノ犯罪撲滅のためにケータイ各社に被害者救済を義務づけすべし
2007年 02月 27日 (火) 22:59 | 編集
 今日も軽い話題。でもボリュームはけっこうありますので読みごたえのあるエントリになったかも。東京新聞の【サイバー犯罪 落とし穴に気を付けて】という社説を採り上げます。

 無線技術とかブロードバンド化の恩恵でネットが生活の隅々まで普及しています。特に最近の携帯電話なら、ほぼ標準装備のような出で立ちでネットに繋ぐことができ、責任ある大人ばかりがネットの利用者であるという状況はすでに過去のものになってきています。そりゃあIPアドレスの枯渇が危惧されるわけだわ。学校現場でも授業中に携帯でメールするなんてことは(当然いけないことだけど)日常茶飯事なようだし、着メロとかいう芸術性のかけらもない粗悪なセカンダリープロダクトをダウンロードしまくる学生さん達も多いようです。ま、もうすぐ30にもなる独身オヤジの僕がグチグチ言ったところで「本当はうらやましいんだろ?」って言われそうなのでこれ以上は言いませんがね。

 では社説を見ていきます。

***********(引用開始)***********
ネットを利用した詐欺事件などの「サイバー犯罪」が急増している。ネットの普及率が約70%に達したいま、誰もが被害に遭う恐れがある。被害を未然に防ぐ一人ひとりの心構えが大切だ。
***********(引用終了)***********

 「被害を未然に防ぐ」なんていう高度な思考をめぐらすことができるのは、幾度の挫折や火傷を通して成長してきた責任感ある大人だけ。上で書いたように今やケータイユーザーは大人だけではなく、小学生のガキンチョあたりがケータイを振り回しているのだから、できもしないことを求めるのは現状認識が甘いと言わざるをえません。

***********(引用開始)***********
不特定多数に対し一瞬にして情報を送れるネットの特徴が悪用されれば、被害が短期間かつ広域・多数に及ぶ恐ろしさも忘れてはならない。
***********(引用終了)***********

 これはおっしゃるとおり。ついでに言うと、昔ダイレクトメールを送るのにかかっていたコストと、今の不特定多数向け迷惑メールにかかるコストでは比べ物にならないぐらいの差があることも、ネット犯罪を容易にしている一因であるという認識も必要かと思います。

***********(引用開始)***********
深刻なのは十八歳未満者が被害に遭う児童買春・ポルノ禁止法違反事件が前年比一・五倍に急増していることだ。
 未成年者が被害に遭うきっかけは出会い系サイトが多い。友だちに誘われて出会い系サイトを利用し、現金をもらって買春の相手方になるのがよくある例だ。
***********(引用終了)***********

 僕は以前このブログで【未成年者のケータイ料金は割り増しすべし!】というエントリをアップしたことがあります(→ こちら)。そこでは「出会い系サイトなどの負の側面に過度に反応すべきではない」と書いたわけですが、これはあくまで対大人の話。大の大人がハマっちゃっても、そりゃあハマっちゃう方にも問題があるでしょ、大騒ぎする必要はないですねという立場をとりました。

 でも、「自己責任」と切り捨ててしまえないのが未成年問題。得難い人生経験を味わうことができるのは間違いないわけですが、やっかいなことに、心が弱い人はそれがもとでトラウマになったり、社会に不満のある人は手法を真似て犯罪の自己増殖に手を貸したり、と後々まで影響が強く残ってしまうケースもまたあるわけです。

***********(引用開始)***********
出会い系サイト規制法は施行されているが、効果は十分でない。被害者のネットへの接続手段は96%が携帯だ。携帯保有が小中学生にまで広がっているいま、家庭や学校で子供らにネットの危険性をしっかりと教える必要がある。
***********(引用終了)***********

 家庭では危険性を教えるぐらいなら没収しちゃいなさい。あるいは、メールと通話機能だけにしぼったシンプルケータイに変えなさい。小中学生なんて好奇心の塊なんだから、毒だと言われたら進んで触れたくなるものでしょう?今の大人は自分が子供だったときのことを考えてみたらわかりそうなものですが。フル機能を搭載したウン万円もするケータイを子供に買い与えて、わざわざ「このボタンは押しちゃだめよ」とか「こんなメールが来ても開いちゃいけないよ」とか言うんですかね?逆効果じゃなかろうかね。

 学校で教えなさいってのも無理があります。ネット犯罪の被害に遭ったこともない人間がどこまで真剣に教えられるのでしょうか。文部科学省が定めるマニュアルに則って「このボタンは押してはいけませんよ」「知らない相手からのメールは開いちゃダメですよ」って教えるんですかね?性教育すらためらわれる学校教育で、大人が言いたいことがどこまで通じますかね?

 また、出会い系ポルノサイトで被害に遭った教師、というのはもちろん存在するのだとしても、そんな先生を引っ張り出してきて「オレは買春したことあるんだぜ(私は売春したことあるのよ)」っていう告白をさせることにメリットはどれだけあるのでしょうか?不勉強な僕にはちっともわかりません。

 では否定ばっかりしていないで対案をあげよう。
 以前書いたこととややダブりますが、大手キャリアあるいはケータイメーカー各社に、未成年者へのケータイ販売台数に応じたペナルティを課金すればいいでしょう(学割サービスなんてもってのほか)。これを毎月積み立てておいた資金で基金を設立して、ネット被害者(被害の後遺症の有無など一定の条件を満たした未成年者に限る)を救済します。あれだけ物欲を刺激するCMを流しまくっている企業側に責任がないとは言わせません。相応の負担をさせるべきだと思います(本来なら売春幇助罪で書類送検ものですよ)。

 以前は、【未成年者のケータイ料金は割り増しすべし!】ということでユーザーに課金する案を提案しましたが、家庭教育自体が難しいと思われるユーザーに責任を押し付けるのはよくないと思い直しました。そこで、企業側に負担を押し付けます。ケータイは売って終わりではなくて、売った後のフォローもさせるわけです。

 政府は人気取りのために立法化してみてはどうですかね?一般市民には負担がかからないし、子供の教育にも良いし、支持率は上がると思いますよ。「美しい国」を目指すんならこれぐらいはやらないとダメですね。
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チェイニーは何しに来たの?
2007年 02月 26日 (月) 23:59 | 編集
 なかなか忙しくてブログ投稿の時間がとれません・・・という言い訳は置いときましょう。今日は手短に、東京新聞の【イラク支援 これが主張する外交?】という社説を紹介しておきます。

 東京新聞が書くように、僕も未だにチェイニー副大統領が安倍首相と会談した内容の本当のところが何であるのかがわかりません。遊びに来ただけではないだろうし(何と言ってもロックフェラーの直参でっせ)、公式発表したような北朝鮮の拉致問題が云々っていうことも主題ではないでしょう。副島隆彦は、恫喝などの方法も使いながらイラク特措法の延長の確約を得るためにやってきたのだという分析をしていましたが、本当かな?僕はイラクというよりも、イランへの空爆とその後の後方支援を日本の自衛隊にさせるために首相に命令しに来たのではないかと邪推しているわけですが。ま、じきに真実も明らかになるでしょう。

 さて、東京新聞は左派的な主張が目立つのでどうしても理想論が先行するわけですが、まあ安倍政権への批判としては真っ正面から突っ込んでいるので、賛同できないわけではありません。

***********(引用開始)***********
イラク情勢は泥沼化し、英国軍の一部撤退も伝えられる。米国でも賛否の割れるイラク新戦略の真意をただすことも、国民への説明もなく、支援継続と言ってもらっては困る。
***********(引用終了)***********

 日本の政治というものは無責任なもので、反省なり検証ということにあまり時間を割きません。ブッシュの支持率が急落し、ブレアが退陣に追い込まれている原因は明らかだと思うのですが、日本が下したイラク戦争支持についての検証が不十分すぎます(安倍政権の支持率が急落しているのは決してブッシュ、ブレアと同じ理由ではありません)。イラク戦争そのものについての正当性、間違った情報に基づいて派遣してしまった自衛隊の問題と責任、さらに、特措法を審議にかけることもなく口約束で延長を決めてしまうような態度。「主張する外交」を本気でやっていくつもりがあるんですかね?
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利上げを受けて次に動くべきは政府です
2007年 02月 22日 (木) 22:31 | 編集
 日銀がようやく利上げを敢行しました。昨日も書いたとおり僕は基本的には賛成派で、まだまだ異常な低金利の状態は続くとはいえ、日銀の金融政策ののりしろが大きくなったことは大きく評価していいことと思います。金利上昇によって負担が増加する人達にとっても、前回の利上げから数ヶ月たっていたわけだし、先月の決定会合における混乱をつぶさに見てきたのであればそろそろ利上げされても仕方がないという覚悟ができていたと思うので、時期としても悪くはなかったと思います。

 確かに、東京新聞などの利上げ反対論者が言うように、経済指標が必ずしも日本経済の強さを示しているわけではない状況ですが、国際的な低金利が円売りキャリートレードを促してますます円安傾向が強くなってきている現況を無視するわけにはいきません。いつか書いたように、この円安によって外資は割安に日本企業を買収できますし、エネルギーやら食糧やらの輸入物価が上昇してインフレが誘引される懸念がありますから(この場合はスタグフレーションになることも予想されます)、より高次元で考えた場合、やはりここは利上げをすべきであったと思います。日銀は通貨の番人として最低限のことを行ったと言えるでしょう。

 さて、どの新聞でも良かったのですが、参考までに毎日新聞の【日銀追加利上げ 正常化に向けた歩みは続く】という社説をここで採り上げておきます。少し気になった点を書いておきます。

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利上げは、経済全体の体温が高まるのと歩調を合わせる形で行う必要がある。日銀も、きわめて緩和的な金融環境は維持されることを強調しているが、今後も適時適切な対応が行われるよう期待したい。
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 ここが重要なんですね。ワーキングプアとか格差固定化、賃上げ凍結など、市場原理主義が生み出した負け組の人々の救済策なしでは、今回の利上げも最終的には失敗と見なされます。必要な人にカネが回らないのであれば、極端な話、緩和的な金融環境を続ける意味はありません。ここからが政府の役割です。選挙戦に向けてしっかりバラマキをやってもらいたいところです(もはや安倍政権に期待できるのはこの点だけだったりして)。

 ここからは個人的な話。
 先月、住宅ローンの金利改定がありまして(3年前に3年間固定で借りました)、これからは金利が上昇するだろうという見込みの下で、さらに固定期間を延長しました。期間は10年が最長だったので10年を選びました。金利改定が今月だったら・・・うーん。先月で良かったなあ。

 さらに先月、外資系保険会社の変額保険(寺の退職金制度の一環として養老保険を組みました)に加入しました。確定利回りの個人年金保険だったら早速運用失敗が確定してましたが、変額タイプにしておいて正解でした。

 逆に一段と難しくなったのが、為替(FX)の見通しです。利上げ→円高という公式どおり動くと見込んでいたので円売りポジションはほとんどとっていませんでしたが、予想に反してさらに円安に向かっています。うーん。相場は難しい。円買いポジでスワップを払い続けるのも精神的に嫌だしなあ。さてどうしたものか。
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破綻自治体に自助努力を強要するのは冷たすぎないか?
2007年 02月 21日 (水) 22:15 | 編集
 今朝の新聞社説はどこも小沢代表による疑惑の弁明について採り上げていましたが、ほとんどが同じ論理展開と結論だったので、さしてこのブログで採り上げる必要もありません。小沢代表が率先して疑惑を晴らそうと公表したからといって、自民党の話題の連中が公表に踏み切るとは思えませんので、この問題はしばらく放置しておいてもよいでしょう。

 そこで今日は1週間ほど前の読売新聞の[夕張市再建]「あくまでも自助努力が第一だ」という社説を見ていくことにします。過疎地域の行政団体に自助努力を求めるという、”東京的”な冷たさが僕には気に入らないので、ほじくって見ていきたいと思います。

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財政をいかに立て直すか。財政悪化にあえぐ他の多くの自治体が、夕張市を注目している。基本は、夕張市が、借金を自助努力で返済することでなければならない。
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 自助努力で公債を返済できる地方公共団体が現在果たしていくつありますかね?今週号の『エコノミスト』でも特集が組まれていましたが、夕張市よりも財政状況がきつい団体はたくさんありますよ。ましてや金利がこれから上がっていくんですから(日銀がとうとう利上げしましたね)、疲弊しきった地方経済へのさらなる悪影響は避けられないでしょう。景気回復が実感できる都市圏の行政団体や企業にとっては、利上げによる金利負担増の影響はそれほど大きくないだろうから、こういうことが平気で書けるのかもしれません。

 ちなみに僕は利上げ賛成派ですが、社説でいうところの「自助努力」主義者ではありません。首都圏と地方の景気観など、様々な条件が違いすぎるのは明らかなのだから、杓子定規に自助努力論を当てはめることの意味がわかりません。利上げは日銀の金融政策として国際経済との兼ねあいを考えた場合、どうしても今の時期にしておく必要があると僕は考えていますが、そうなったときには当然、地方経済への悪影響を取り除くためのクッション政策をセットで施す必要があると考えます。地方にできる自助努力と言ったって、せいぜい給料カットぐらいのものですから(給料カットをしたからといって地方経済が上向く原因にはなりません)。

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夕張市への支援のようなケースは過去にない。
 自治体が自ら招いた財政破綻の後始末を国や都道府県が安易に手助けすることになっては、自治体の財政規律が緩み、財政悪化を助長しかねない。
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 東京で社説を書いている人間には地方の貧困は見えないのでしょう。理屈は正しいのですが、全く「愛」が感じられない文章です。地方経済への憐憫の情が少しでも感じられるような文章があれば印象も変わるのに。

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職員を半数以下に削減し、一般職員の給与も3割削減する。住民生活に必要な最小限の事業以外は原則廃止だ。市民税、固定資産税、下水道使用料など住民の負担は大幅に増える。住民には、極めて厳しい内容だが、やむを得まい。
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 「やむを得まい」という一言で終わりですか。自分が夕張市民だとして、いさぎよく納得できますか?
 余裕のある人達はおそらく全財産を持って引っ越しするでしょうね。それができない人達だけが仕方なく残って苛政に苦しみながら余生を過ごすのでしょう。それが「自助努力」が導く”正解”ですが、何かおかしいと感じませんか?

 そりゃあこれまで職員削減などの努力を怠ってきた夕張市の過去の為政者の行政責任は追及されてしかるべきだとは思います。しかし、当時は善かれと判断してやってきたことが今になって実は失政だったということが断定されただけであって、そんなことはどんな人間でも企業でも何度も経験していることです。間違っておきたくないのは、行政は企業活動と違って市場原理を持ち込んではいけないということ。失政はつきものなんですから、自己責任を必要以上に押し付けてはいけません。

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夕張市の財政破綻の要因には、ルールを逸脱する会計処理で財政悪化を隠ぺいし、それを議会も住民もチェックできなかったことがある。
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 議会の責任は重いでしょうけど、住民のチェックはそこまで求めてはいけません。だいたい、自分たちでチェックできないから議員を選んでいるわけだし。ま、大企業とか名門証券会社なんかも粉飾決算していて、相場のプロ達もチェックしきれないのが現実なのです。株式会社は破綻処理をして債権債務がチャラになっておしまいで良いわけですが、行政はそういう切り捨てができない性質のものです(原理的にそういうものなんです)。間違いはありうるものだとして、我が国の為政者の方々には、幅広く助け合う思想で自治体破綻にかかる諸政策をまとめてもらいたいものです。
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穀物市場暴騰に対してあまりにも無策ではないか?
2007年 02月 20日 (火) 22:50 | 編集
 連日安倍政権批判ばかりしていたので心も荒んできました。何もこんなことのために僕の心を砕く必要もないなあと思い、今日はテーマを変えます。読売の[穀物価格高騰]「構造変化を来した需給バランス」という社説を採り上げますが、もうちょっと踏み込んだ分析をしてもらいたいなあというのが率直な感想。事態はそれほど楽観視できない状況なのに、社説からはそこまでの緊迫感が伝わりません。題名からもわかるとおり、ここのところの穀物価格の急騰を背景にした日本経済への影響を考えた社説であり、とりわけ我々庶民の食卓事情にも直撃する問題であるだけに、ここで踏み込みの甘さを見せるのはどうかなあと思ってしまいました。

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大量の穀物を輸入し、食料自給率が4割と先進国で最も低い日本にとっては、見過ごすことはできない事態だ。世界の穀物の生産・需要動向に、これまで以上に注意を払う必要があろう。
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 食糧自給率が低いことに対する警告はもちろん僕だけではなく多くの有識者から発せられていたのに関わらず、それを放置していた政府に対してまず苦言を呈しないといけない場面ですが、「何を今更」というようなコメントにはがっかりです。

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 値上がりが収束しないのは、世界の穀物需給が構造変化を来したからだ。
 原油価格の高騰で、代替エネルギーの開発が叫ばれ、植物から合成するバイオエタノールが脚光を浴びている。
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 代替エネルギー開発もいきなり始まったわけではなく、商品先物市場では随分前から期待感をもって迎えられていたはずです。投機市場にプレイヤーとして参加する必要性はありませんが、これほど示唆に富んだ市場もないわけで、経済問題に関心がある人はやはりチェックしないわけにはいきません。随分前からわかっていたことなのに、ここでも「何を今更」コメントしか出せないのは情けないですね。

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日本として、気になるのは「大豆ショック」の再来だろう。1973年に米国は、大豆の輸出を禁止した。おかげで、日本では豆腐や食用油生産が一部で止まる騒ぎとなった。
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 国民の大半がいらないと言っている牛肉を無理やり輸入させ、大半が必要だと言っている大豆を輸入させないのが我が同盟国です。日本はこれだけのことが過去にあったのになぜ自給率を上げる政策を採れなかったのでしょうか。いくら穀物メジャーが世界の穀物市場を牛耳っているからと言っても、日本の土地で採れる食物や農業そのものがここまで軽んじられて健全なはずがありません。政府は農業の担い手を大規模農家に限定していきたい様子ですが、生命の営みを経済合理性だけで判断しようとする国のやり方にはぞっとします。

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安い価格で大量の穀物を輸入できた時代は終わりつつある。日本も飼料用作物の増産などを真剣に検討すべきだ。
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 毎度のことながら具体策が全く示されません。真剣に検討すべきなのは誰が考えても出てくる結論でしょうが。日本の農業振興策を政治家とか官僚、あるいは農協団体まかせで考えさせる今までのやり方を今後も続けていって大丈夫なのかどうか。さらに穀物価格が高騰したときに(リスクマネジメントとしては考えておかないとダメでしょう)日本はどのような行動に出るべきか。今のような円安水準を黙認していたら輸入物価の上昇は避けられず、それでも輸入せざるを得ない日本の食糧事情の足下を見られて、さらなる物価上昇と円売りが進んで・・・と、えらいことになる恐れもあります。まさに国民を巻き込んだ議論が展開されないといけない時期だと思います。
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効果のない結論しか出せないナントカチームみたいなものは解散せい
2007年 02月 19日 (月) 20:42 | 編集
 ああもう見ていられない、安倍政権の最後の悪あがき。応援団の産経や読売からも批判が目立つようになってきた昨今、参院選、いや統一地方選挙まで安倍政権はもつのでしょうか?得意の北朝鮮政策で空回りしてしまったらもう切るカードは残っていないのでは?
 と、そんな下世話な心配をしていても始まりません。政治がどう変わろうとその体制に応じた市民生活をこなしていくのが僕の役目ですから、我々の代表たる政治家の方々に日本国民の生活を託して、今日も世相を読んでいきます。

 最後の悪あがき、と書きましたその内容は、産経新聞の【成長力底上げ 拙速では実効性見えない】という社説から見える、まさに拙速そのものの”基本構想”。机の上で統計データを見ながら政策決めているだけと言われても仕方がないぐらいの内容で、実現性があまりにも乏しすぎるので産経新聞からも批判されることになってしまっています。

(引用開始)
具体的にはフリーターなどの能力開発支援、母子家庭世帯や障害者の就労支援、最低賃金引き上げと中小企業の生産性向上の組み合わせ策の3つだ。だが、その内容は従来政策の踏襲や効果に疑問符のつくものが多い。
(引用終了)

 無理していろんなチームを作りすぎなんでしょうね。何が一番大事なのかがわからないので、これじゃあ財務省も予算のつけようがないんじゃないでしょうか。

(引用開始)
ジョブ・カードは英国の例を参考にした新規施策だが、効果の方は未知数だ。
 このカードがあれば、OJT実施企業以外への求職活動にも役立つという。しかし、企業がそれを認知し受け入れなければ意味はない。
(引用終了)

 ジョブ・カード発行という結論よりも、日本とイギリスの労働実態にどの程度類似性が見受けられるのかという議論の中身が知りたいですね。法制化する段階で、これを受入れない企業に罰則をつけるのかどうかとか、実質的な解決となりうる政策なのかどうかはやはり気になります。

(引用開始)
中小企業の生産性向上では、下請け企業へのしわ寄せを防ぐ施策を強化する一方で、金融・税制面での支援策を実施する。これも場合によっては、最低賃金引き上げを理由にしたばらまき政策につながりかねまい。
(引用終了)

 ”ばらまき”については僕は産経とは反対の意見です。”ばらまき”の何がいけないのか?大企業は超低金利政策という異常な状態が未だに続いているおかげで見込みを大きく上回るほどの法人税を納めているわけですから、政府がそのカネを、未だ景気回復の果実を十分に頬張ることができていない中小企業の従業員たちにばらまけば、今言われているような不公平感とか格差問題はかなり和らぐだろうし、そのカネで中間層の人々が消費を活発化させれば金回りはさらに良くなるはずです。自民党の株も上がって選挙対策としてはこれ以上ないぐらいの政策だと思います。なぜ”ばらまき”がダメなんでしょうね。確かに、過去”ばらまき”で票を集めまくっていた族議員がそのまま小泉改革の抵抗勢力になったという構図を確立して構造改革を正当化してきた以上、今更”ばらまき”も良いもんだとは言えないという理由もわかりますがね。

 ま、今日の主旨は産経批判ではないのでここまでにしておきましょう。とはいえ政権批判だとしても、安倍政権をふっとばすネタがJ-CIAとかあちこちで散々アップされていますから、僕がどうのこうの言う必要もなさそうな気配なんですが。
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読売は合併基準の緩和を歓迎
2007年 02月 15日 (木) 23:52 | 編集
 今日はお釈迦様の命日、いわゆる涅槃の日。昨日いろいろ書きすぎて疲れた反動と寺行事の忙しさでさっくり行きます。本当はじっくり考えなきゃいけないテーマなんですけども、読売新聞の[合併基準緩和]「企業の国際競争力強化に生かせ」という社説を採り上げます。

 この社説、一読して踏み込みの甘さが感じられます。というよりも読売自身が国際的なM&Aに対して一貫した意見をもっていないのであろうということがにじみ出ていて、結局何が言いたいのかはよくわかりません。例えば、国際的な寡占が進むことを予想しながらも、"日本の"公取に対しては監視を強めよという部分。

(引用開始)
ただ、合併で国内に巨大な企業が誕生した場合、懸念も残る。製品価格を一方的に値上げするなど、市場をゆがめる行為に出ることだ。
 そんなことがあってはならない。公取委による継続的な監視も欠かせまい。
(引用終了)

 公取委の監視はそりゃあ大事でしょうけど、"国際的な"大型合併に対して日本の公取委がどこまで強権を発動できるのか不透明です。べき論から言えば公取委ががんばるべきなのはわかりますが・・・。実際の実行力がどこまで担保されているのでしょうか?合併基準を緩和することでかなりの影響が出ることが指摘されていますから、社説にはもうちょっと踏み込んでもらいたかったです。

(引用開始)
 改正では、これに加えて、企業の合併を一層しやすくする変更点も盛られた。最近5年間に実施された国内企業の合併審査178件でみると、ほぼ無審査で認められたのは3件だけだった。ところが、改正後の基準を当てはめれば、54件に跳ね上がるという。
(引用終了)

 読売は基本的にはこの動きを歓迎していると書くわけですが、大丈夫なのかなあ。
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安倍首相の発言から見える、格差問題放置の本音
2007年 02月 14日 (水) 23:42 | 編集
 今日は六カ国協議の顛末についての社説は意図的にパスします。原田武夫情報の予想通りの展開だし、あらためて付け加えておくようなこともなさそうなので。それよりも国会論戦の方をとりあげてみようと思います。東京新聞の【『格差』論戦 首相はもっと具体論を】という社説は、格差問題についての具体的な論争を避ける首相の姿勢についての批判となっています。本来なら、追求しきれない野党のふがいなさももっと追求すべきだとは思うのですが、まあここでは置いておこう。

 そもそも三代にわたる世襲議員の安倍首相には下々の生活などわからないだろうし、下々の格差がどう広がっているかも興味はないでしょう。興味の無いことについて答弁を求められても、まともに答えれるわけがありません。官僚が用意した答弁を棒読みするのが精いっぱいだったわけですが、そんなことよりも自身のフィールドワークたる拉致問題が関連する六カ国協議の進展の方が心配だったことでしょう。なにしろ失敗に終わることがはっきりしていた会議の落とし前をどこでつけて、どう弁解するのか、ということの方が今後の政治活動に関わるわけで。

(引用開始)
首相は企業の国際競争力を強化することで経済成長を実現し、それによって格差解消に取り組む方針を強調した。だとすれば、成長の果実をどう国民に還元していくのかが重要になる。
(引用終了)

 原文を読んでいないのですが、社説のとおりの発言を首相がしたとするとますます意味不明です。企業の国際競争力を強化したらますます格差が生まれて当然なわけで、経済成長して税収が伸びたとしても法人税減税かつ賃金据置きの状況で、いかにして格差解消に取り組むというのでしょうか。東京新聞が問うように、まさにそこが聞きたいんですけどねえ。

 それから盲点になっていなければいいのですが、首相は国際競争が活発になれば日本企業の大部分が勝ち残れるような幻想を抱いておられるようです。んなこたぁない。例えば無視できないものとして、中国によるレアメタル禁輸政策問題なんて勃発した日には現在日本の成長企業として名を連ねる大手ハイテク企業のほとんどが路頭に迷ってしまいます。今月号の『日経ビジネス』ではまさにその問題の行方を問うています( → 【レアメタルが禁輸になる日 中国商務部ウェブサイトが掲載した“本音”】)。
 ちなみにレアメタルに関しては右バナーの本もお勧めです。日本が世界をリードする精密技術も原料がなければ宝の持ち腐れで、日本の会社のトップが中国に土下座しに行ってようやく輸入させてもらえるっていう時代がそう遠くない未来にやってきます。そんなときに格差是正って何ができますかね?
※中国の技術力はまだまだだとしても数十年で追いつかれます。原料は数十年待っていても手に入りません。

 僕個人的には格差の問題というものは、経済合理性という本来は価値判断基準の一つでしかないものが、何を間違ったのか神器のようにあがめられている現代にこそ問題の震源があると考えています。ええ。内田樹氏の受け売りですが。経済合理性を、物事の有用性を数値化してどの選択肢が得なのか損なのかを比べるための基準であると定義するならば、非常に客観性の強い基準であると同時に、誰でも納得できるがために低次元にならざるをえない集合関数(数直線空間への写像)なわけで、僕としてはこんなものが唯一絶対的な価値判断基準として現代生活に浸透されては困ります。あくまで一つの基準として(できればビジネスの世界だけに)留めておくべきなのです。

 経済合理性の権化としての一つの例がホリエモンでした。彼は著書に「政治家なんて割りの合わないことはやらない」というような事を書いていましたが(僕は読んでいないので新聞の受け売りです)、後に政治家になって放送利権などを握る方がビジネス上有利だと判断して立候補しました。代議士という公共的な職業のあり方でさえも自分の経済合理性というモノサシでしか測れませんでした。そしてその行動を自民党が全面的にバックアップしていたことこそが、この国の為政者たちがどの判断基準に重きを置いているかを見せつけた格好の事例となりました。さらにはホリエモンが堀の中に入ることになったら、為政者たちは一斉にホリエモンをパージする側になり、ここでも為政者たちが採用した判断基準は経済合理性であることが確認されたのです(ホリエモンを擁護したって損にしかならないから誰も擁護しませんでした)。

 結局、この経済合理性という価値判断基準が唯一絶対の基準になっている以上、"社会的"格差の固定化という問題が解決することはありません。立法府を司る政治家がこの毒気に当たっていないのであればまだ救いはありますが、当の彼らがこのザマですから、最早希望なんてもってはいけません。彼らは自分たちの利権が脅かされそうになれば抵抗勢力になるし、一般企業だって"経済合理性"に従って労働法を改悪して労働者の得べかりし所得を搾取しようとしている昨今、効果的な格差是正を政府が考えてくれると期待する方が間違っています。

(引用開始)
首相は「伊吹文明文科相も松岡利勝農相も、政治資金規正法にのっとって、適法に処理していると答弁している。
(引用終了)

 法律に則っているから問題ない。これは合理的ですが、そんな合理性をここで求めてはならんのです。ビジネスの世界とは違うんです。政治家たるものここでは倫理の問題として、所得が全部筒抜けの一般サラリーマンや、領収書をつけないと損金算入が認められない一般企業の会計と比べて、模範にならないといけない自分たちの会計が不透明なままでいいのだろうか?と考えるべきなのです。根本から間違っているのです、彼らは。

 ま、ここまでは求めすぎかな。素質のない人間に多くを求めてはいけませんね。
 今日はこのへんで終わりにしておきます。
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